気をつけよう!異物摂取

異物を食べてしまった子の中で、お腹を開けなければならない(胃切開や腸切開を必要とする) 場合があります。
その中でも少し変わった症例がありましたのでご紹介したいと思います。
3才のちっちゃめなダックスさんです。

診察室で
飼い主さん「帰宅すると吐いてあったんです。」
      (この子はお留守番の時はサークル内で過ごしています)
獣 医 師「お食事はいつもと一緒のものですか?
      いたずらして何か食べた可能性はありますか?」
飼い主さん「猫がたまにサークルの中に何か入れようとするけれど・・・
      でもどうだろう??」

そうですよね、猫ちゃんが何かおもちゃでも取ってきてくれて、ワンちゃんのサークルの中に入れてくれる。そんなことがあるかも知れません。食べなければそれも微笑ましいのですが・・・実際のところは飼い主さんも見ていたわけではないのでわかりません。

嘔吐が治まらないので、エックス線検査(バリウム造影)を行いました。
すると、エックス線検査では胃の中に生体組織ではない陰影が描写され、またバリウム造影検査では十二指腸からバリウムが流れないことを確認しました。ということは胃の中に異物があり、十二指腸部分を閉塞するものも存在すると推測されました。
そして腹部切開を行い、胃の中と十二指腸からそれぞれ異物を摘出しました。

摘出したものはなんでしょうか ?
お弁当箱の中によく見る醤油の入れ物のようなもの。
それが真ん中で2つに切れていました。赤い蓋のついた部分は胃の中に、下半分はたたまれて腸の中にありました。

  • 胃の中から摘出
    胃の中から摘出
  • 腸の中から摘出
    腸の中から摘出

手術が終わって飼い主さんに摘出したものを報告しましたら
飼い主さん「それは1年前に食べてしまった信玄餅のみつの入れ物です。
      ずっと気になっていたんです。」

変わった症例と言いましたのは、ワンちゃんがこれを食べたのは1年も前、ということ。
それが長い月日を経て胃から出て腸を閉塞してしまうこともあるのです。
よくあるのは最近食べてしまった異物摂取での手術ですが、ずいぶん前に食べたものもこういうことが起こり得るということ。
みなさまも、お気を付けください。

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南大沢4-2-4
動物取扱業種別 保管
動物取扱責任者 冨永律子
登録番号
第102045号
登録年月日
平成22年11月15日
登録有効期間 令和7年11月14日